彼から連絡を貰ったのはいつのことだったか?
すごく興奮気味に
すごく強気で
『しゃちょ、新しいダンパーの試作が出来ました!一番にモニターテストをしてください!』
ダメ出しを続けて、頑なに認めなかったダンパーメーカーさんからの電話だった・・・
今思えば、よくもまぁーヌケヌケとズブのトーシローが(私)足廻り専門メーカー相手に、偉そうにダメ出しを出来たもんだなって・・・(^^;
※その節はタイヘンスンマセンでした
ダメ出しをしてたのは減衰力うんぬんではなく、ケース長とロッド長が気に喰わなかった
「んなぁもん使えるか!上げたら伸び切って下げたら底付きするヤツなんか使えるかーっ!」
ってダダを捏ねて困らせ続けて・・・・、
やっと出来上がりましたよ!と連絡を貰い、サンプル品のショートストロークダンパーテストに「合格っ!」の烙印を押し
出来上がった後の製品が現「 ヲトナダンパー 飛脚SPEC 」になってたりする
裏を返せばあの時にダダを捏ねなかったらこのショートストロークダンパーは世に生み出されていなかった可能性もあったかも?と思うとなかなか感慨深いダンパーなのだ
このショートストロークケースはとても使い勝手がよく、オリジナル減衰に変更して数種類のオリジナルダンパーを作った
- ある時はサーキットで徹底的にテストを繰り返して、減衰力って強けりゃ強いほど曲がらなくなる傾向を実体験しながら作り上げた『AP(オートポリス)SPEC』
- またある時は峠を俺なりに最高気持ちよく駆け抜けるために作った『朝駆けSPEC』
ダメ出しはオリジナルSPECを生み出してからも尚続き(更に加速した?)、その都度ゴムブッシュの硬度変更や、シャフトオイルシールの変更やオリフィスの変更をし続け、その度にグレードアップしてきた経緯がある
『朝駆けSPEC』はその名の如く朝一の早朝ツーリングでテストし続け、ストリートメインで且つ峠を限界まで攻め込むに相応しい減衰設定だった
峠までの田舎道(凸凹・ギャップ・ジャンピングスポット、多々有り)も全開ブッチギリで腹一つ擦らずに快適移動
あのダンパーは朝駆け無くして生まれなかった
今だから話すが、あのツーリングは顧客サービスでもなんでも無く、ダンパーのテストをマジにやりに行ってたツーリングだったのよw (決して公にはできない速度領域でね)
口の悪い人からは『朝駆けツーリング』ならぬ『命掛けツーリング』と揶揄されたものだ
スピードレンジが余りにも高すぎたのでSタイヤ禁止レギュレーションを発したのもこのツーリングが最初で最後
実際、全損廃車が2台出たので『朝駆け』を止めた
所謂「峠を攻める」というレベルを逸脱しすぎた感は否めない
非合法で迷惑千万なのも否めない話 (遠い過去の話なのでご勘弁、反省汁;;)
『朝駆けSPEC』もショートストロークをベースにした良いダンパーだった
- その比類なき「ちょうど良さ」 (※長さね)
- その比類なき「高性能」 (※減衰力ね)
- アフターフォローの良さ、仕様変更の対応の素早さ、O/H体勢
メイドインジャパンの強みを如何なく発揮できる唯一のミニ専用ダンパーとして自信を持ってリリースできた
だが、その素晴らしい製品の「終わり」を告げられたのが1年前
二度と作らないのか?
いや、作って貰えないのか?
との問いに、私の望む答えは帰ってこなかった
- サーキットでのパフォーマンス
- ハイスピード峠での限界領域でのコントロールのし易さ
- 高速道路をぶっ飛ばした時の安心感
本当に製廃にしちゃうの?
そんなに売れてないの?
そんなにミニのマーケットはショボイの?
「しゃーないのぉ、じゃぁ、最後の在庫分のショートストロークダンパーを全部俺が買うよ!」
で、生まれたのが「AP」でもない「朝駆け」でもない『飛脚SPEC』
完全限定生産として10セットを作った
![]() |
シリーズ最高峰の出来栄えと自負している『 ヲトナダンパー飛脚SPEC 』 |
ここまでのものを作り上げるのに・・・・、う~ん、10年?かな?
一貫して減衰力非調整に拘ってきた
つか、そもそも36段調整式なんて謳っているショックと方式が全然違うもんで、調整式に出来ないのだがねコイツは
ダンパー専門用語で言うところの『単筒高圧ガス封入式』といって、多くのUK製調整式に用いられる『複筒低圧ガス封入式』とは精度も部材の多さも圧倒的に違う物である
(当然前者のほうが後者よりも飛躍的にコストが掛かってしまう)
よく言われるのが『調整式だったら良かったのになぁ~』 (←買わない奴が絶対言い放つ決めゼリフ)
浅はかな考えだなと失笑するしかなくw
物事を考えるのを阻害するのは、大した事のない経験値と思い込みと探究心・行動力の無さとつまらないプライド
ものは考えような訳で
「調整しなくていい」メリットや「調整する必要が無い」メリットを最大限に生かせば良い訳で
事実、初期のテストサンプルから現在に至るまでマイSB-1はサーキットで・レースフィールドで非調整式のこのダンパーを使用し続けている
- ドライもウエットも、夏だろうが冬だろうが
- 調整するところはダンパーだけじゃ無い
それこそダンパーが調整式になっちゃう事で選択肢が余りにも増えすぎてアホな俺には絶対管理が出来ないって、オチなんだがね(頭悪いから真剣に計算した事無いが、足廻りの調整組み合わせのパターンは数千通りになる筈である、とんでもないがムリポ)
これは2年前の2011年の動画
岐阜のYZサーキットというショートコース
ダンパーは「APspec」、ブレーキパッドは「ピチピチギャルタイプ」と、足廻りはハイスピードサーキットのオートポリス仕様のまま乗り込んだ
この時は別に特別なセットアップを何もしないで挑んで、結局最終ラップにショートコ-スSPLを駆る鬼の汗かき男「皿海選手」に抜かれちゃって総合2位でフィニッシュ(でも1300TマシンでRクラスの強豪を抑えての総合2位・クラス1位は賞賛に値する) ←自画自賛w
エンジンパフォーマンス的に言えばノーマルに毛の生えた程度のスペックだったので(フライホイールすら重フラのまま)、やはり「足の良さ」が勝因と言える
因みに、この時の暫定エンジンは現○○○ーさんの心臓として今も活躍中
話が長くなってしまった(^^;
締めようw
お陰さまで、
ショートストローク、ハイスピード対応減衰設定、ヲトナダンパー飛脚SPECは完売致しました!
今後二度とショートストロークモデルはメーカーよりデリバリーされません
再販も無いと思います(T_T
手に入れる事が出来たユーザーさんはラッキーでしたね
今後も十二分にそのSPECを堪能して下さい
長らくご愛顧頂いたショートストロークダンパーシリーズの販売は終了となりますが、
当店よりデリバリーした「SS」「SC」「APspec」「朝駆けspec」「ヲトナダンパー飛脚spec」全てのショートストロークモデルのアフターサービスは引き続き従来通りの体制で行います
(各部O/H、減衰力変更、ショートパーツ供給、等)
引き続き、ご安心してご使用になって下さい。
※最後のセットをお購入頂いたユーザーさんへ
タイムが必ず1秒以上縮められるよう闘魂的気合「ラヴチューニュー」をしてます
きっと、たぶん、恐らく、メイビー、タイムアップ間違いなしでやんすww
![]() |
いままで多くの感動をありがとう! |
こちらも、まだ体験したことが無い方は是非お早めにご購入頂いた方が賢明かと思われます
今後も継続販売し続ける予定ではいますが、 メーカーさんあってのオリジナル商品なので、将来的な希望・願望はあっても現実問題成り立って行けない状況だと何ともしようがありません
この商品でさえ消えて無くなってしまうような事態がもしあれば、いちミニ乗りとして・いちミニ業界人としてとても恥ずかしい事であり・それはとても残念な結果になってしまうと思います
このダンパーを正しく理解し、正しく装着すれば「目から鱗」が落ちますよ!
ヲトナダンパー ネコアシspec、コンフォートハイローキット、AVONラバーコーン、への交換は「愛と感動」をもたらしてくれます!
これって本当にラバコンですか!?
ミニってこんなにも良い足してたんですか?!
きっと!必ず!メイビー!「愛と感動」をw
愛の溢れたこのダンパーを、是非一度体感してご賞味してみてください
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